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ガイ×ルーク 現代パラレルです。

ルーク(17)→売れない駆け出し歌手。ガイとは極秘のお付き合い中。
ガイ(25)→超人気俳優(笑)妻子もちだが、ルークとも関係を持っている。家族も愛す、ルークも愛す、な悪い奴


という、意味不明な設定です・・・ガイの歳も少し上げてあります。
こんな設定許せない!ガイ妻子持ち!?ルークかわいそう!という健全な方は至急戻ってください!!
注意を無視して読んで気分が悪くなっても知りませんよ!!
まぁ、読んでやるかという方はこのまま下にお進みください・・・

























【メッセージ】

 

薄暗くシンとした部屋、ルークは一人自室のソファで寝転んでいた。

今日はいつもと変わりない暇な日のため友達とめいっぱい遊び、飲み、疲れ果てて家に帰りそのまま何もする気力がなく、今の状態に至っている。

時計を見るとあと15分ほどで日付が変わるとこ。

かちかちと秒針の音だけが鳴り響く部屋、このまま寝てしまってもよかったが、ルークはサイドテーブルの上にあった携帯に手を伸ばした。

 

「ガイの・・・ばか」

 

四角く光る画面を見ながらぽつりと呟く。

サイドテーブルの上にある卓上カレンダーに赤丸がついている日、それが今日6月10日、ガイの誕生日である。

本来なら一緒にお祝いするはずだったが、地方公演のためガイは今新潟にいる。

この前あったとき今回の公演は家族も一緒だと言っていたことを思い出す。

ガイが家族と楽しそうに過ごす時間を想像してルークは余計に落ち込んだ。

出来ることなら自分も行きたかったが、そんな願い叶うはずもなくルークは東京で留守番中。

 

「・・・ケータイくらい早く直せっつーの」

 

今、ガイの携帯にかけても出るのはガイではなく、無機質な女性の声。

何度この声を聞いただろう。

ルークの携帯のリダイヤルはガイの番号で埋め尽くされている。

ガイは忙しい日々で会う機会もなく連絡手段は携帯だけ、ガイの携帯が故障中だと知らないルークは何回も何十回もかけその度に深い失望感と不安感を募らせていた。

やっとテレビ局の中で偶然会いそのことを知り、早く買えと促したが未だに音沙汰はない。

ガイも暇ではない、それどころか地方公演や映画撮影、取材とルークよりも忙しい身で時間がないのは良く分かっている・・・だが・・・

 

「誕生日に言えねぇのは・・・寂しい」

 

おめでとう・・・その一言でいいのに。

友達と騒いでいるときは楽しくて、気にしなかったが一人になるとそのことしか頭の中にない。

こんなにある一言を伝えたいと思ったのは初めてだった。

この時代にどんなに離れていても伝えられない言葉なんてないと思っていた。

けど、今はどんなことをしても伝わらない・・・。

 

「ばか・・・っ、ガイなんて・・・嫌いだぁ」

 

どんどん気持ちがへこんでいき、目じりがじんわりと熱くなってくる。

涙が零れそうになり、はっとしたルークはぶんぶんと頭を振り、暗い気分をどうにかしたくおもむろにテレビの電源をつけた。

テレビの中には良く知った人々が映し出されていた、どうやら芸能関係のニュースらしい。

騒がしい人々のやり取りをルークはぼんやりと見ていた。

『さて、最後の話題は・・・』キャスターの明るい声とともに画面が変わりそこに映し出されていたのは・・・

『人気俳優ガイ・セシルさんが家族とともに新潟で公演中』

ルークはソファからガバッと起き上がり大またでテレビの前まで来るとそこで立ちすくむ。

『ガイさんは今日誕生日を向かえ、その為家族と一緒に地方公演に赴いたようです』

『仲が良くて羨ましいですね』

キャスター同士が愛想よく会話をするが、ルークの耳には入ってこなかった。

画面が変わりガイのインタビュー映像が流される。

ガイの横には妻と子どもの幸せそうな姿。

しかしルークにはガイしか見えなかった。

いつもと変わらないガイの姿、声にふっと軽いため息をつきルークはテレビの前で崩れるように座り込んだ。

テレビの端の時刻は11:59。

ルークはそれを確認するとテレビに映るガイに向かってちゅっと口づける。

 

「誕生日・・・おめでとう・・・大好き、だからな」

 

短い告白が終わると同時に時刻が0:00となった。

そして、テレビ画面の中のガイも消え、スタジオが現れる。

キャスターたちが明日の予告をし、エンディングテーマとともにニュース番組が終わった。

ルークはテレビの電源を切ったが、そこから動かずただ真っ暗な画面を見つめていた。

不意に頬に暖かいものが流れる。

 

「大好き・・・早く帰ってこいよ・・・ガイに触りてぇんだよ」

 

涙とともに溢れてくる感情にただただ押し流されてルークは強く訴えた。

 

「いつも傍に・・・離れたくねぇ・・・触ってほしい。俺だけの為に生きて、俺だけ見て・・・」

 

なんてわがまま、だけど秘めた想いが止まらない。

 

「ガイだけでいい・・・それ以外何もいらないからっ・・・」

 

何て浅ましくて醜いんだろう、俺の心は・・・。

自分でも笑ってしまうほど、心の中はガイでいっぱいなんだと実感する。

想いと涙は止まることを知らず、どんどん湧き上がってはルークを苦しくさせた。

 

―――ごめんな・・・

 

薄暗い部屋でたった一人、遠くにいる大好きな人に語りかける。

 

―――明日からちゃんとがんばるから・・・今だけ・・・・・・・・・

 

 

次の日、久久しぶりの仕事を早く切り上げルークは携帯ショップに向かった。

一通り携帯電話を眺め、ある一つの携帯を手に取り、カウンターに向かう。

これなら丈夫そうだし、ガイも気に入るだろう・・・手に取った携帯はいたってシンプルな黒色。

家に帰り早速買ったばかりの携帯の箱を開ける。

真新しく光る携帯をいろいろいじり、電話番号登録画面見つけ、一番最後のグループにルークは自分の携帯の番号を入力した。

『大好きだからな ルーク』

このメッセージと共に。

早くこの携帯をガイに渡して、どんな反応するか見たい。

ガイが帰ってくるのは一週間後・・・ルークはその一週間の間一日に一つ、かかすことなく携帯のカレンダーにメッセージを入力し続けた。

 

 

END